【井戸掘り】中央住設 井戸の数だけ物語がある「水物語」
おいしさ、楽しさ大集合
すずらんハウスは、ＪＡ上伊那が製造販売するすずらん牛乳の工場。地元の酪農家が搾った生乳が毎日ここに運ばれ、おいしい牛乳になって出荷されています。
工場に隣接した売店や、お隣りの駒ヶ根ファームスでは、すずらんハウスでつくられる牛乳、飲むヨーグルト、パン、ハム・ソーセージなどが販売されています。すずらん牛乳は学校給食にも使われる地産地消の逸品。甘みをたたえたコクのある飲みごこちは、誰もが認めるおいしさです。飲むヨーグルトやソフトクリームなど、すずらん牛乳の仲間たちも、牛乳の味がしっかり生きて訪れる人に大人気。一品ごと丹念に焼き上げるパンや、本格手づくりハム・ソーセージも見逃せません。
同じ敷地内に建つ駒ヶ根ファームスには、地元農産物・特産品の直売所と、長野県第一号の地ビール・南信州ビール直営のレストランが。ホテル・旅館が並ぶ周辺は、太田切川に沿って散策路や「早太郎温泉」などの入浴施設が整い、少し足を延ばせば、レジャー施設や史跡・文化財も散在しています。県内外から多くの人が訪れる観光地でありながら、地元の人にとっては、下駄履き気分で出かけられるのが嬉しい、身近なリゾートスポットです。
すずらん牛乳物語
すずらん牛乳は全部で４種類。普通の牛乳とコーヒータイプそれぞれ、２００ＣＣ・９００ＣＣがあります。２００ＣＣ牛乳は一日に７０００～８０００本生産され、駒ヶ根市内小中学校の学校給食にも利用されています。
「味が濃い」「コクがある」「甘い」「香りが生きている」......。すずらん牛乳には常に高い評価が寄せられています。その理由を、ＪＡで43年間牛乳製造一筋に携わった宮澤利忠さんは、「中温殺菌だから、搾りたての味と香りがそのまま残る」といいます。もちろん原料の良さも理由のひとつ。すずらん牛乳は生乳の脂肪分・無脂固形分が一般数値より高いことが実証されています。
すずらん牛乳の誕生は今から60年ほど前の昭和23年。地元酪農家と農協が、自分たち独自の牛乳をつくろうと立ち上げました。当時の燃料は周辺の山から供出される薪でしたが、実はこれ、現在の地に工場が移った平成９年まで続いていたのです。「ボイラーの温度を一定に保つのに苦労した」と、宮澤さんは懐かしそうに語ります。
子供からお年寄りまで、地元の人の健康を担い多くの人に愛され、すずらん牛乳は現在まで変わることのない伝統の味を継承してきました。その味はここを訪れる人々を通じて、近年は地域外へ、県外へと広がっています。
すずらんハウスでは平成13年に深井戸を掘り、地下水を製造現場に利用しています。「製品と直接は関係しませんが、きれいな地下水は洗瓶や清掃に安心して使える」と、水上千代治駒ヶ根ファームス場長は言います。良質で豊富な水は、品質を支える大切なサポート役を担っています。
お客さまの声
良質な地下水をふんだんに使えるのが、 深井戸の魅力
前・駒ヶ根ファームス場長 新井信敏さん
「水と空気はタダ」といわれたのは昔のことで、店頭に並ぶミネラルウォーターはすっかり見慣れた光景です。都会では『酸素バー』なるものが登場して、今や空気も売れる時代だとか。なんだか寂しい気分になります。 水をまさに「湯水のごとく」使えるのは、現代社会ではとても贅沢なことなのですね。昔は山から水を引き、四六時中、池に流し入れていました。山の水がきれいだった証しです。そんな昔の贅沢を追体験しようとすれば、やはり地下水ということになります。とはいえ、衛生面を考えればある程度の深さが必要で、そんなとき頼りになるのが地元に精通した業者さんです。 容器の洗浄や清掃に、衛生的な水を思う存分使いたいと考えたのが、深井戸掘削の一番の動機です。もとより伊那谷は「掘れば出る」といわれるほど、地下水に恵まれた土地柄。工事を依頼したところ、１３０メートルで毎分５００リットル以上の水が岩盤の中から湧出しました。味も質も透明度もすばらしい水で、これを商品にして売ろうという声も挙がったほどです。洗瓶などに気兼ねなく使えるのはとてもありがたく、そして贅沢なことでもあります。このことがすずらん牛乳の価値をさらに高めてくれればと期待しています。
駒ヶ根ファームス
TEL0265-81-7201（すずらんハウス） 長野県駒ケ根市赤穂759-447